火曜日, 8月 07, 2012

「囚人のジレンマ」

経済学のモデルで「囚人のジレンマ」という考え方があります。これは自分にとって良いように行動したにもかかわらず、結果としてあまり芳しくないものになっているという考え方です。

例えとして…

ある犯罪の共犯者(囚人Aと囚人B)が別々の部屋で尋問を受けています。
検事が囚人2人それぞれに以下の条件を示しました。
・2人とも黙秘すれば懲役1年ずつである
・2人とも自白すれば懲役2年ずつである
・1人が自白し、1人が黙秘すれば自白したものは釈放、黙秘したものは懲役3年である

 ちなみに相手がどんな選択をするかは分からない状況が前提とすると皆様はどれを選択するでしょうか?
私は、自白を選択します。 それは相手が黙秘した場合も、自白した場合も自白を選択したほうが、罪が軽くなるからです。このように考える方が多いのではないでしょうか。

 そうすると、互いに自白を選択し、結果的に懲役2年ずつの刑罰になりそうです。
しかし、本来は懲役1年ずつの刑罰になる「黙秘」を選択する方が望ましく、自分にとって良いように行動したにもかかわらず 結果としてあまり芳しくないものになっているという「ジレンマ」が起きているのです。
価格競争などもこのモデルと似たような状況にあります。

 自分の「得」を追求すれば、なぜか自分は「得」にならない結果となり、そして、自分の「得」を追求しないと、なぜか自分も「得」になるという結果にこのモデルはなっています。
 全ての事象が話し合いできる状況には当然なりませんが、自分だけのことではなく全体を考えて行動することが、結果として自分にとっても良い方向に導いてくれることを教えてくれています。私自身も常に一歩引いて客観的に物事を考えることができるよう励みたいと思います。


by石原