火曜日, 8月 28, 2012

北欧デザイン

私は北欧家具が好きで、よくインテリアショップや雑貨屋を訪れたり、本を読んだりします。

名古屋では、アクタスやコンランショップで、ポール・ヘニングセンのPHランプや、ハンス・J・ウェグナーのYチェアを見ることができます。

私は学生の頃から一人暮らしをしていましたが、部屋のインテリアを楽しむようになって、北欧デザインと北欧家具の木のぬくもりに惹かれていきました。
最初はそのデザインに魅力を感じていたのですが、北欧家具誕生の背景や過程を知ると、より一層好きになりました。

北欧は、夏は白夜ですが、冬は逆に日照時間が短く、厳しい寒さが続きます。
そのため、家の中で過ごす時間が長くなり、室内を快適で居心地の良い空間にする感覚が発達しました。
また、物質的に豊かな国ではなく、女性も働き、男性も家事育児をするため、日用品や食器類のデザインにおいも、デザイナーの生活者としての視点がしっかりと活きています。
北欧デザインには、見た目としてのデザインではなく、毎日使う人のためのデザイン、という考え方が根本にあるのです。
それは、機能的で丈夫で飽きのこないデザインです。
デザイナーはまた家具職人でもあり、その高い技術力が、美しいデザインを実現しています。

そして、これらのデザインは、短いサイクルで生み出されては壊されるものではなく、
時代を経て、生活者の視点から、より現代生活に取り入れやすい形に改良が重ねられていきます。
こうして蓄積されたデザインが、長い時代人々に愛され続け、ロングセラー商品となっているのです。
名作は、偶然生まれたものでなく、必然的に生み出されたものです。

このような北欧家具にみられる、生活者の立場に立ったデザインと、確かな技術は、私たちの仕事にも共通するものがあると感じます。
それは、お客様の立場に立った提案と、それを支える確かな知識です。

改良を重ね、必然的に生み出された名作のように
時代とともに変化するお客様のニーズや税法に常にアンテナをはり、良いタイミングで、より良い提案ができるよう日々努力していきたいと思います。

by 石井

金曜日, 8月 24, 2012

有給休暇の消化率

昔から日本人は働き過ぎとかワーカホリック(仕事中毒)なんて表現されることがありますが、有給休暇に関する調査でも、日本人は有給休暇をもらっている日数が少なく、さらに使っている消化率も低いようです。有給取得日数が多く、消化率が高いのはフランスやドイツといったヨーロッパの先進国なのですが、しっかり休んで仕事も順調とはうらやましい限りです。

調査結果を見てみると、有給消化率が低い原因の中に、改善が可能だと思われるものが2つありました。
まず、「上司が協力的でない」こと。
これは日本だけでなく、多くの国で主な原因となっているようです。有給を消化するには上司の許可が必要な会社が多いと思いますので、すんなりとOKが出なければ取りにくいわけです。
個人的には、上司が意識的に有給を使っている会社は、従業員の消化率が高い印象があります。

そして、もうひとつが、「上司や同僚に迷惑がかかる」こと。
自分が休むことで、自分の仕事を上司や同僚に押し付けることになってしまうためです。
では、有給消化率の高い国は、どうしているのか。例えば、ドイツでは、誰がいてもいなくても業務が滞らないようにするための仕組みづくりに熱心、という情報がありました。会社内は誰が見ても分かるように整理整頓が行き届き、休んでいる同僚の代わりをスムーズに行えるようにしてあるとのこと。
なるほど、これならそれほど迷惑をかけることはなさそうです。

ちなみに石田会計では、有給の消化率は概ね9割といったところでしょうか。世間でよく耳にする、「強制的な取得」はもちろんありません。
仕事量が少ないかと言えば、実際は昔の職場よりも多いです。その代わり、いかにして無駄をなくし、効率的な業務を行えるかをスタッフ全員で話し合っています。
また最近は、お客様の情報や仕事内容などを事務所全体で共有していく取り組みを強化しています。これにより、休んでいるスタッフの担当先から急ぎの依頼があっても、より迅速に対応できるようになると思います。

有給休暇は業種により取りやすさが違うと思います。
会計事務所業界は一般に激務といわれ、昔は有給はあってないようなものだと思っていました。
石田会計に入ってからは、職場の環境を整えることで充分消化可能であると実感しています。
そして、取得しやすい環境を整備することで従業員の定着率が上がり、人材採用の面でも大きなプラスになっていると感じます。

by 加古宗利

火曜日, 8月 21, 2012

夏の読書

 最近読んだ本ですぐ実行できそうなポイントが多く書いてあるものがありました。
その本は箇条書きで具体的に仕事や日常の改善策が書いてあったので理解しやすく、実行しやすいものでした。
私が興味を持った項目を一部ご紹介します。

・マニュアルを読む
「マニュアルを読まずに進歩はできない。
新しいものに買い替える際も前の機種に比べ何らかの新機能が搭載されているはず。
それは一般ユーザーの想像を超えたものであることはほとんどである。」
マニュアルを読むのは困った問題がおきた場合が多かったのですが、読むことの利点が分かるとまた違った考えになりました。
全ページを熟読する必要はなく目次や商品の特徴のページから拾い読みをすれば良いという付け足しの一言で、ハードルも低くなります。
今までは商品のパンフレットを見て特徴をつかむのみで満足していましたが、マニュアルまで読み進めてみる価値を見出せました。

・できる理由を考える
できない理由を考える=言い訳をする
できる理由を考える=工夫をする
なかなか難しいことではありますが、このように単純明快に言われると思考ぐせとして意識しなければと痛感します。

・運をあげない
「運をあげる」のではなく「運をつかむ」
チャンスは平等であり要は目の前にやってきたチャンスに気が付いてそれをつかめることができるかどうかであるという言葉に妙に納得しました。
ではチャンスを見逃さない方法はというと「目標を明確にする」ことだそうです。
例えばダイエット中の人はフィットネスクラブの広告が目に入ったり、スタイルの良い同性が目についたりするように脳がそれに関する情報を勝手に集めるようになりますよね。
このように具体的にメリットを述べられると目標を定めるのがプレッシャーになりがちな私でも自ら目標を設定したくなります。
また自分の脳が情報を集めてくれるのがチャンスに繋がるのであれば、目標を他人に話すことでも同じようにチャンスが増えるのではないかと思いました。

 最近は思考法の本から遠ざかっていたのですが、たまたま家族の書棚に埋もれていたものを読んでみました。
自分で本を選ぶと偏って手に取りがちなので分野が限定されてしまいます。
たまに他人の本棚を見せてもらって普段読まないような本を読んでみることで、いつもと違った方向に視野が広がるのは良いことだと思いました。

by 加藤

金曜日, 8月 17, 2012

「相手の心に届く言葉で話す」

 先日、税理士会の研修に参加し、法務・税務のどちらにも精通している大学院教授の講義を聴く機会がありました。
 5時間超の長丁場でしたが、法務の視点からの話はとても興味深く、その話の中で特に私の興味をひいたのは、「相手の心に届く言葉で話す」という発言でした。

 10年ほど前の改正により、税理士補佐人制度(※)ができ、今後ますます税理士が裁判に参加する機会が増えるだろう状況になったことから、法務と税務のメンタリティ(考え方、心理的傾向)の違いについての話がありました。
(※税理士補佐人制度・・・税理士が、租税に関する事項について、補佐人として弁護士である訴訟代理人や当事者に付き添って、裁判所において出頭・陳述をすることができるようになった制度。)
 “法務を勉強し、それを基礎とする裁判官に対し、裁判で、税法の論理を前面に出して主張していくと負ける確率が高い。メンタリティの違いを意識しないと、税理士は訴訟の場でお客様の力にはなれない”とのお言葉でした。例えば、「民法はともかく税法では…」との話の進め方は、それを一生懸命勉強して今の立場がある人にとって素直に耳に入れにくい、ということだそうです。
 勝つためには法務に携わる方の考え方を理解し、同じ事実を述べるにしても、裁判官の知識背景の論理の下、自分の主張である結論にたどり着いてもらいやすい論法を繰り広げる必要がある、と。そのことを「相手の心に届く言葉で話す」、と表現されていたのです。

 日本語が通じる相手であると忘れがちかもしれませんが、他人が同じ基礎知識や常識(と言われるもの)を持つかどうかは、期待できないことの方が多いと思います。
 仕事中、税務や会計に関してお客様に説明をする機会は数多くあります。しかし数多くあるものの、実はいつも説明しながら難しさを感じ、試行錯誤しています。その業界の専門用語になじみの少ない人に対して、正確だからと専門用語を使うことばかりが適当ではなく、かといって平易な言葉を使って説明すると、まわりくどくかえって話がわかりにくい感じになってしまったり…、と。

 優秀な方は、説明が上手です。要点抑える事や簡略化が上手だからだと思います。それに加えて、相手の立場や考え方、理解度に合わせ、「相手の心に届く言葉で話す」ということが意識されているのではないかと今回の話を聞いた後に思いました。同じ事実を説明するにしても、アプローチの仕方で腹に落ちる・落ちないの違いが、結果的に納得の度合いや結論さえ左右することになる、ということだと思います。
 今までもお客様ごとに説明の仕方などを考えて対応してきたつもりではあるのですが、そのことにしっくりくる言葉を頂けたおかげでとても強く心に残りました。今後も忘れずに仕事に活かしていきたいと思います。

by 松浦

金曜日, 8月 10, 2012

『レモンORピーチ?』

売り手と買い手に「情報量の差」があるため粗悪品の出回る市場を「レモン市場」といいます。
ここでいう「レモン」とは果物ではなく、アメリカでは質の悪い中古車のことを「レモン」、良質なものを「ピーチ」を呼ぶことにちなんでいるようです。
 
 レモン市場では、売り手は品質をよく知っているので中古車に相応の値をつけるが、買い手は品質の情報がないので中古車にあまりお金を払いたくない。
 売り手は、買い手の予算内では低品質の中古車を売らないと利益を上げることができない。
 低品質なので故障が多い→中古車の印象悪化→買い手の予算低い・・・と負の循環によりレモン市場ができ、ピーチは市場へ出られないのです。とても不幸な市場で、逆選択(買い手はピーチがほしいのにレモンを買ってしまう)やモラルハザード(売り手がレモンをピーチと偽って売る)がおきてしまうのです。
 分かりやすく、当たり前のような話ですが、2001年ノーベル賞受賞の理論です。

 情報量の差を解消(レモンにアフターサービスをつける、ピーチに第3者が保証書をつけるなど)をすれば、適正な価値で市場に出回ることができます。
 
 労働市場も採用側、応募者側の情報量の差で「ピーチ」な人材すべてが、能力を生かせる職に就けるとは限りません。ある会社にとっては「レモン」であっても、他の会社では「ピーチ」な人材ということもあるのでミスマッチがおきやすいことも容易に想像できます。
 
 今年はここ3年で新卒の内定率が一番よく、中小企業の比率が上昇しているようです。HPなどの普及により中小企業の良さが理解されはじめたようです。新卒採用に積極的な中小企業が、新卒就職先の選択肢に入ることはとても嬉しいですね。
 
 通年中途採用も中小企業で多いですが、応募者は自分の能力を把握し、会社情報もHPなどで得てから応募してきますが、採用側は履歴書と面接で判断するので自社にとっての「レモン」か「ピーチ」なのか判断情報が少なく、一歩踏み出せないことがあるかもしれません。
 実技試験をしてみる、試用期間を設ける、など解決方法は色々ですが、雇用に関する助成金なども上手に活用していきたいですね。年度末で改廃がありましたので、ご利用検討の際はお気をつけ下さい。

by 古橋

水曜日, 8月 08, 2012

「夏到来」

この季節になると、女性にとっての天敵である紫外線対策で、外出するにも日傘にストール、アームカバーなどが欠かせません。最近は、男性用の日傘まで売り出されており、日焼け対策への関心の高さがうかがえます。せっかくの夏が台無しですが、そうも言っていられないのが現実です。

 一方で、節電意識の高まりに加え、普及拡大を目指した国等からの補助金制度も整い、今年になってから「太陽光発電」という言葉をよく耳にするようになりました。設置方法により全量買い取り制度(太陽光パネルで発電した電力は、すべて電力会社に売り、家庭で使う電力は通常通り電力会社から買う仕組み)、余剰買い取り制度(太陽光パネルで発電した電力をまず家庭で使用し、余った電力を電力会社に売るという仕組み)の違いはあるものの、どれだけ発電できるかは太陽次第。「猛暑日」という言葉も、設置されている方にとっては、うれしい存在となっているのかもしれません。

 ところで先日、ニュース番組の中で、平日の昼間に公園のパラソルの下で、サラリーマンがネクタイ姿でビールを飲んでいる映像が写されていました。これは、サントリーが期間限定で出店したノンアルコール飲料のみのビアガーデンで「オールフリーガーデン」として大盛況のようです。小さい子供を連れた女性や、ノートPCを広げたサラリーマンなど、昼間のビールとは似つかないような人達がビールを手にする姿は、意外性もあり大変目を惹く光景でした。

 クールビズも定着し、次はビール(ノンアルコール)・・・。周囲に不快感を与えない程度の気分転換を取り入れて、仕事の効率が下がらない工夫をしたいものです。

by 板谷

火曜日, 8月 07, 2012

「囚人のジレンマ」

経済学のモデルで「囚人のジレンマ」という考え方があります。これは自分にとって良いように行動したにもかかわらず、結果としてあまり芳しくないものになっているという考え方です。

例えとして…

ある犯罪の共犯者(囚人Aと囚人B)が別々の部屋で尋問を受けています。
検事が囚人2人それぞれに以下の条件を示しました。
・2人とも黙秘すれば懲役1年ずつである
・2人とも自白すれば懲役2年ずつである
・1人が自白し、1人が黙秘すれば自白したものは釈放、黙秘したものは懲役3年である

 ちなみに相手がどんな選択をするかは分からない状況が前提とすると皆様はどれを選択するでしょうか?
私は、自白を選択します。 それは相手が黙秘した場合も、自白した場合も自白を選択したほうが、罪が軽くなるからです。このように考える方が多いのではないでしょうか。

 そうすると、互いに自白を選択し、結果的に懲役2年ずつの刑罰になりそうです。
しかし、本来は懲役1年ずつの刑罰になる「黙秘」を選択する方が望ましく、自分にとって良いように行動したにもかかわらず 結果としてあまり芳しくないものになっているという「ジレンマ」が起きているのです。
価格競争などもこのモデルと似たような状況にあります。

 自分の「得」を追求すれば、なぜか自分は「得」にならない結果となり、そして、自分の「得」を追求しないと、なぜか自分も「得」になるという結果にこのモデルはなっています。
 全ての事象が話し合いできる状況には当然なりませんが、自分だけのことではなく全体を考えて行動することが、結果として自分にとっても良い方向に導いてくれることを教えてくれています。私自身も常に一歩引いて客観的に物事を考えることができるよう励みたいと思います。


by石原