火曜日, 11月 20, 2007

裁判員制度

 「訴えてやる!」の台詞でおなじみとなった法律を扱ったバラエティ番組や、法曹界を舞台にした小説や漫画などで、以前よりも法律の世界が身近に感じられるようになってきました。
 ただし、それはあくまでも第三者としての視点であり、「裁く・裁かれる」立場になった自分の姿を考えたことはありませんでした。

 こんな私でも、現実の世界で「裁く」立場になる可能性が出てきます。2009年春、裁判員制度が始まるからです。
 10月1日が「法の日」ということもあり、制度のしくみや模擬裁判の様子などが、10月初旬の新聞紙上を賑わせていました。

 色々な記事の中で私が最も驚いたのは、一生のうちで裁判員に選ばれる確率でした。調査機関によりその数字は多少違いましたが、およそ60から80人に1人が選ばれるそうです。
 翌朝、満員の電車に揺られながら、「この中から1人は選ばれてしまうんだなぁ」と、何ともいえない気持ちになりました。

 記事には「法律の知識は無くても大丈夫」などの耳に優しい言葉が並んでいましたが、自分が裁判員になることの怖さを払拭することはできませんでした。
 その数日後、再審で無罪となった富山冤罪事件の記事を読み、プロでさえ間違ってしまうものに対して、素人である自分が参加してもいいのだろうかと、更に不安が増加していきました。
 様々な不安が解消されない限り、どうやったら辞退できるだろうかと逃げ道を探す人が後を絶たないのではないでしょうか。現段階では、もちろん私も逃げ道を探す一人です。

 前向きに理解しようとするこちら側の思いはもちろん必要ですが、この状況では、法に携わる側の説明責任が十分だとは思えません。
 導入まで、後1年半となりました。今まで以上に、様々な方法で啓蒙活動が行われることでしょう。自分なりに納得できるよう、不必要に身構えずに自然体で受け入れたいと思っています。

 ただ、名古屋駅にあるデパートの外壁に「大北海道展開催中」と「裁判員制度が始まります」の垂れ幕が、並んでかかっていたのには苦笑してしまいましたが……

by 宮内

金曜日, 11月 09, 2007

採用の難しさ

 スタッフの浦井が10月一杯で石田会計を退職いたしました。私にとって同期入所で、年齢も一歳違いということもあり、とても気が合う仲間として3年間共に過ごしてきただけに、寂しい気持ちで一杯ですし、また事務所にとっても経験者が抜けることは大きな痛手です。

 繁忙期を目の前に控えて、穴を埋めずにそのままにしておけば、大変なことになるのは目に見えておりますので、彼の退職が決まったと同時に、石田から私が主体になって採用活動を始めるようにとの命を受けました。

 まず、送られてきた履歴書にいくつか目を通してから気が付いたことは、履歴書の中身の段階で、意欲がある人と無い人との違いが明らかにわかるということです。経験してきた業務を淡々と箇条書きで羅列するだけの人は、本人にその気持ちは無くても、自分を理解してもらおうとする努力をせずに、読み手の方に理解する努力をさせようと横着をしているのではないかと感じてしまいます。

 逆に、読む人が理解を出来るようにという気持ちを込めて丁寧に書かれていると、好感度が高く、一度お会いしてみようかという気持ちに、こちらもなってきます。
 さらに、自分が石田会計で何をしたいのか、将来どのような自分になりたいのかまで書いてあると、アピール度は満点に近くなります。
 もっとも、私自身が就職活動のときを思い返してみると、履歴書は最低限のことだけを書いておいて、面接でアピールすればいいやと自分本位に考えて送っていました。これでは面接まで行かずに落とされても仕方が無かったなと、恥ずかしながら採用側になって初めて気が付きました。

 さて、いざ面接をして話をしてみると、どの人も良く見えてしまって、今度は誰を採用するのか、何人採用するのか、事務所の将来像も頭に置きながら考え出すと止まらなくなってしまって、いつまでも答えが出なくなってしまいました。
 せっかく面接に来てくれた人を落とすのも情として忍びないし、かといって全員を採用する訳にはいかないしで、いざ自分で決断することの難しさを実感することになってしまいました。最終的に石田の助力をもらって、なんとか内定を出したのですが、今回は残念ながら応募者の方との意向が上手く合わずに、本採用までは合意することが出来ませんでした。

 石田は「縁だから仕方ないよ」と言ってくれたのですが、やはり自分の中で正しい答えが出せなかったのではないかという後悔が未だに残っています。
 結局、その後に石田が面接をした方が新たに入社してくれたのですが、また次回に採用に関われるチャンスがあれば、今度こそ上手くいくように、面接に来てくれた方の意向をじっくりと聞けるよう工夫をしてみようと思っています。

 これを読まれた経営者の方で、「履歴書はここに着目して見ているよ」とか、「面接ではこういうことを聞いてるよ」といったことがありましたら、教えていただけるとありがたく思います。

by 小林雄

木曜日, 11月 01, 2007

ありがとうございました

 私は10月末を持ちまして石田会計事務所を退職いたします。理由は来年の夏に結婚をすることを前提に大阪へ移住するためです。

 石田会計事務所にはちょうど3年間お世話になりました。受験勉強として税法の勉強をして入所したものの、会計事務所での実務経験がなかった私にとっては衝撃の連続でした。
 その中でも、会計事務所とは形式にのっとった決算書の作成と、それに基づいた申告書を作成すればよいと思っていた私にとって、「それではどこの会計事務所でやってもらっても一緒じゃないですか?自分だからできるサービスや、お客様にとって一番よいと思われる決算の方針をお客様の立場に立って考え、提案型のサービスを提供しなければ意味がないですよ」という石田の指導は衝撃的でした。
 まだまだ技術的にも学ばなければならない部分はたくさんありますが、この精神は石田会計事務所に所属していた証として、今後の私の会計人として最も大事なものとしていきたいと思います。

 また、この3年の間に、様々な経験をさせていただきました。
 なかでも印象深いのが経理代行の業務でした。具体的には経理担当者が抜けた年商20億円規模の会社に、経理担当者として中に入り、パソコンを有効活用することで経理の効率化を図るという業務でした。
 普段からいろいろな会社の会計のチェックをさせていただいておりますし、また通常の業務の中でもパソコンを工夫して使うように意識をしているため、実際に担当するまでは特に普段と変わらない業務だと思っていました。

 しかし、実際に担当すると新しい経験ばかりで、皆様から見れば「そんなの何がめずらしいの?」と思われるかもしれませんが、私は生まれて初めて手形と小切手を切りました。
 また、山のように届く請求書の管理や、売掛金・預金・手形などの管理についても、「このように管理してくださいね」と御指導させていただいてはいたものの、実際に自ら体験することは初めてでした。
 机上の空論というわけではありませんが、自ら体験したことでその責任の重さと管理の重要性や、皆様がお悩みになっている資金繰りの大変さについても実感することができました。
 会計事務所に勤務しているだけでは、このような体験はなかなかできませんので、本当に貴重な経験ができたと、大変ありがたく思っています。
 ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 3年間を振り返ってみると、自分自身が満足のいくサービスを提供できなかったという印象が強く、担当させていただいたお客様には申し訳ない気持ちで一杯です。
 しかし、そんな未熟な私を温かく迎え入れて下さり、また真剣に接してくださったお客様には、本当に感謝しております。

 担当させていただいたお客様、そして事務所のみなさん、3年間本当にありがとうございました。

by 浦井