月曜日, 11月 30, 2009

「魔法の言葉」

先日あるテレビ番組を観て面白いなと思った話です。
スペインに本社を置く高級陶器人形ブランドのリヤドロジャパン社。2005年まで右肩下がりだった業績が、扱う商品は安いものではないにも関わらず、その後この不況も物ともせず順調に右肩上がりに伸びている、ということで、その成功の秘密は何か?をとりあげたものでした。

日本人の性質を理解した戦略が成功しているようなのですが、私の印象に残ったのは実はその戦略ではなく、社長が“魔法の言葉”といっていた2つのセールストークです。
一つ目は、「限定品」。
二つ目は、「私も持っています」という言葉でした。
どちらも目新しい言葉ではないにも関わらず、なるほどこの言葉には結構のせられているよな…と思ってつい笑ってしまったからです。

「限定」には、数量限定、季節限定、地域限定…と色々ありますが、とにかく“限定”、と言われると今、又はこの時期逃したら次がないかも!という思いを抱かせるのでつい手が伸びます。

「私も持っています」は、自分の体験に照らし合わせると、服を買いに行った時によく聞きます。例えば、洋服を試着してもまだ購入するか決めかねているときに、“私も 持っていますが、○○なので良いですよ。”と、持っている人ならではのコーディネートであったり、使い心地を教えてもらえると、“いいなあ”と納得して買ってしまう自分がいます。その道や業界に携わる人が持っている、というのは、商品に推薦書がついているような気がするのは私だけでしょうか?

二つの言葉は人の心理をうまくつかんだものであると思います。番組のコメンテーターの方が、「買い物は心理的なものなので、消費者はそこに価値を見出せば買う」、と言っていたのにも成程とうなずいてしまいました。

業績回復という結果を出している社長が“魔法の言葉”と言うからには、私だけでなく大勢の人がその2つの言葉に気持ちが揺さぶられることが多いのだと思います。

会計事務所の職員としてこのセールストークはどうにも応用できそうにありませんが、年末に向けて何はなくとも出費のかさむ時期がやってきます。せめて“魔法の言葉”にあまりのせられすぎないように気をつけようと思いました。

by 松浦