月曜日, 10月 19, 2009

組織

 小学生の頃、社会見学に行ったときに先生が集合場所で私に話してくれた出来事をふと思い出しました。
 わたしたちの学校以外にもたくさんの生徒たちが集まっていて、ある二校の集合形態について先生が話しをしてくれました。
 一つは、笛一つでまるで軍隊のように整然と真四角に並んで座っているA学校、二つ目は、ただ何となく近くに集まって座っていますが、自主的に集まってきて先生が話し始めると同時に静かになったというB学校について例に出して話し始めました。
 先生は両校の集合形態を褒めた上で、「見た目にはA学校のレベルが高いように思うがB学校の方が自主的に行っているため生徒のレベルが高い」ということをおっしゃっていました。
 この二校を会社組織に置きかえて考えてみるとおもしろいのではと思い、いろいろ検討してみました。

 A学校のような組織は、言われたことをもくもくとこなすような、大量生産をすることを目的とした単純作業の仕事が主な会社などには向いているのかもしれません。
 ただ、A学校の整然さは『少しでもはみ出した者は首根っこつかんで放り出すぞ』と言わんばかりの鋭い目をした先生が立っており、労働者の立場から考えてみると、張り詰めた空気の中に恐怖が彼らを支配しているような感じがあり、高い労働意欲が見込めないのではと思いました。
 
 一方、B学校のような組織は、個人の能力が影響を与える会社や、次々と新しいことに取り組んで行くような会社には向いているのかもしれません。
 ただ、B学校の組織の形態を試みることは、無知で未熟な子供ならまだしも、知識が豊富でプライドの高い大人に対して自主性を持たせるようコントロールすることは、リーダーに相当のカリスマ性が備わっていない限り、大変困難なことなのだろうと思いました。

 A学校の組織形態は、会社理念の理解や組織は個人から成り立っているという考えを周知させることなどにより、労働意欲を向上させることで、B学校のような組織形態もカリスマ的なリーダーシップを持つ人の人材確保・育成や、それぞれの要望を叶えることなどにより一つの目的を達成するよう方向付けることが、より良い組織になっていくのかなと思いました。

 一人の人を動かすことでさえ難しいというのに、組織という人の集合体を統一させることは本当に困難なことなのだろうと改めて会社の社長の偉大さを感じました。
 いつも会計から会社を見ることが多いですが、経営や組織から会社を見ることも重要なことであると感じ、そういうことも学んでいきたいと思いました。

by 村上