木曜日, 10月 15, 2009

「現金の威力」

仕事をしている方なら必ず月に一度は訪れる給料日。
皆さんの支給方法は現金でしょうか? それとも振込みでしょうか?
一般的な会社ではパート・アルバイトの方への支払いを除けば、大半が振込支給ではないでしょうか。

振込支給は、給料日に経理担当者が金融機関に出向く必要がなく、紛失や盗難のリスクがありません。また、第三者を通して支払いますので、その証拠能力も絶大です。
一方、受け取る側にしても、大金を持ち帰ることによる紛失等のリスクがなくなります。
双方にとって非常に便利で安全な支給方法だと思います。

それとは逆に、賞与をあえて現金支給にしていた会社を担当させていただいたことがあります。
その会社の社長によれば、賞与支給日に一人ひとり面談をしながら手渡しするということで、その目的は以下の3点でした。
(1)従業員の評価している点・今後期待すること、また改善してほしい点を伝える。
(2)従業員の要望や不満に思っていることを直に聞く。
(3)雇用関係を強く意識させる。

1年のうち2回くらいは社長自ら一対一で腹を割って話すことで、従業員に対して激励をすると共に、社内の問題点を汲み取る努力をされていました。
これにより、互いの行き違いをなくすよう心がけていらっしゃいました。
また、社長から手渡しで現金を受け取ることにより、その重みを感じてもらい、雇用関係(働いた対価を頂いていると思うこと等)を意識する機会を作ることができるのだそうです。
この意識は、会社が成長する上で欠かせないものだそうです。
人によっては、給料袋が立つ(100万円以上)こともあるとのことで、やる気のある従業員にとっては大きな励みになっているようです。

今にして思えば、その会社は他社に比べ従業員の退職が少なく、社内は活気に満ちていました。
また、会社の業績もとても好調でした。
現金支給にしただけで会社の業績がよくなるわけではないと思いますが、現金には何かしらの力がある気がしています。

大半を占める振込支給は便利な方法ですが、お金は口座から口座へ移動するだけですので、給料を頂いたという実感は現金支給に比べ薄くなる気がします。
そこで、上記の社長のように現金支給を検討してみてはいかがでしょうか。
リスクを考えて、例えば賞与のうち査定による変動部分だけでも良いと思います。
少額でも「お疲れ様」の言葉と共に手渡しで現金をもらうことは誰でもうれしいものです。
その際の面談は、会社にとってプラスに働くのではと感じています。

注:現金支給の際は、くれぐれも以下の点にお気をつけ下さい。
  ・必ず受領のサインをもらって下さい。
  ・現金の管理には充分ご注意下さい。

by 加古宗利