金曜日, 9月 07, 2012

「豊かな人間性」

 先日、東京都美術館を訪れました。
私は、絵画に詳しく絵心があるわけではありませんが、絵を見るのは好きで、たまに美術館を訪れます。
今回は、一度は見てみたいと思っていたフェルメールの代表作である「真珠の耳飾の少女」が来日しているということで、この機会に見に行くことにしました。

 フェルメールは、17世紀のオランダ美術を代表する画家の一人で、精緻な空間構成と独特の光の質感が特徴の風俗画家です。
私はフェルメールの優しい静寂に包まれている空間から伝わる平和な日常と、柔らかく温かみのある光に照らされている青と黄の色彩が好きです。
今回目当ての真珠の耳飾の少女は、振り返って何かを伝えようとしている眼差しと唇が魅惑の少女で、観る人の想像を掻き立てるような作品ですが、わりと素朴に感じられ、また絵画史上最も美しいとも言われるその少女は、想像を超えた美しさでした。

 私は東京に住む大学時代からの友人を誘って美術館を訪れたのですが、友人は全く絵画に興味が無かったため、つまらない時間を過ごしていないか少し心配をしていました。
しかし友人は、こういう機会がなければ絵画に触れることもないし、せっかくだからと自ら積極的に興味深く説明文を読んだり、絵画を見て楽しんでいました。
私は、友人の新しいものを積極的に柔軟に取り入れようとしている姿に感心しました。

 年齢を重ねるとどうしても、自我が確立され、周囲に注意される機会も少なくなり、自分とは異なった価値観が受け入れ難かったり、新しいものを柔軟に取り入れることが難しくなったりします。しかし、それができる人の方が、より豊かな人間性育むことができるのではないかと思います。

 実践するのは難しいと思いますが、常に意識して、新しいものを一旦は受け入れ、必要に応じて柔軟に取り入れていきたいと思います。

by 石井