木曜日, 5月 13, 2010

「身につける」こと

 以前ブログでもお伝えしましたが、基礎体力をつけるため、筋力トレーニングを始めてもうすぐ半年になります。その間、膝の怪我で1ヶ月弱中断した時期もありましたが、様々な測定数値、自分の疲れにくさといった実感を含めて、以前とは身体の“質”そのものが変わってきています。
 身体より頭を使う時間が長い仕事柄、以前は自分の“身体”についてそれほど深く考えたことはなかったのですが、ここ半年間自分の身体と向き合いながらトレーニングをしつつ、つくづく実感したことがあります。それは、自分の身体に関することほど「自分がやった分しか身につかず」「やったことがそのまま結果になり」「近道がない」ことが分かりやすいものはないということです。
 怪我をして中断している間には目に見えて筋肉が減り,疲れやすくなります。一方、続けてさえいれば、短期間では効果がないように見えても、長い目で見れば身体は驚くほど変わっています。
 地道にやりつづけることで結果が確実に現れ、怠れば身につけたものも失うということ、やったことが自分の身体にそのまま跳ね返ってくることが、トレーニングの醍醐味であり、楽しさなのだと思います。

 「楽しく運動、楽に痩せる」といった言葉で、周期的にトレーニング・ブームが起こっていますが、それを継続している人は少ないように思います。それは、「ただただ楽しく、楽にやる」ことと、「途中が苦しくても、そのこと自体の結果を楽しめる」ことには、大きな隔たりがあるからではないでしょうか。
 例えば、私の行っているトレーニングですが、楽しくやっているとは到底言えません。筋肉を限界まで使って鍛えることが目的ですので、やっている最中に「楽しい」などと思う瞬間はありません。ひたすら苦しいだけです。そういう意味では、「楽しく運動する」という世界からは程遠いものです。しかし、私は「運動したその結果」を楽しんでいますし、そのことが続ける動機になっています。

 運動だけの話ではなく、「楽しみながら~する」ことは悪いことではありませんが、それが「楽しくないからしない、できない」ことにつながるのは問題があると思います。途中経過が苦しかったとしても、その結果得られたものに「楽しみ」を見出すことが、結局は重要なのではないでしょうか。

 筋肉に限らず、知識に関してもそうですが、自分に「身につけるもの」を得る方法に近道はないのだと実感しています。
 やった分は身につく。やらなければ身につかない。
 この半年間、頭では分かっていたはずのそのことを体感し、その難しさと面白さをつくづくと感じているところです。

by 安藤