金曜日, 5月 21, 2010

「学んだ技術」

 先日、母校である中学校のハンドボール部で、春の試合を前に練習試合が出来るほど部員数がいないので助っ人に来てほしいと同級生から誘いを受け、ハンドボールの試合をしてきました。
 誘いを受けた時は懐かしさとうれしさの反面、今のこの道を選ぶ前に悩んだ道の一つというくらい夢中になっており、それなりに自信もあったことなので、現役の頃のように動けないことを実感したくないというような複雑な思いもありました。
 実際に10年ぶりにコートへ立ち、握ったボールと松やに(ボールを握りやすくするためにつける樹脂)の独特な匂いを嗅いだとき、そんな複雑な思いはどこかへ消え、投げ方やステップ一つ一つを丁寧に思い出そうと夢中になっている自分がいました。

 学生の頃の私にとってはハンドボールが唯一の誇れるものでしたので、今でも青春時代のとてもいい思い出として心に残っています。
 そんな懐かしい思い出に浸りながら練習をしていると、口の中に血の味がしてきて、昔コートの脇にある側溝でよく吐いたことなど、つらかったことをリアルに思い出し、思い出をいかに自分の都合のいいように美しくしていたかということが分かりました(笑)。

 結果としては、体力こそなかったものの、そのときに学んだ技術に助けられまともな試合ができました。
 自分の高校時代も実業団を引退した主婦の方と練習試合をしたときに、まるで相手にされずこてんぱんにされたことを思い出しました。
 身に付けた体力は衰えるけれど、学んだ技術はずっと残っていくのだということを身を持って実感しました。
 言うまでもなく、夢中になり過ぎた代償は次の日きちんとやってきて、起き上がれないほどの痛みでした。

by 村上