金曜日, 4月 16, 2010

バリューエンジニアリング

 先日たまたまつけたテレビ番組で興味深い企画を放送していました。
ある番組内で「改善士」という肩書きの横田尚哉さんを追うというものだったのですが、寝る前に少しだけテレビを見るはずがつい見入ってしまうほど、横田さんの話は目から鱗でしたので、私の自身の心に留めておくためにもここで紹介したいと思います。

 横田さんは建設コンサル会社の社員でバリューエンジニアリング(VE)という技術でコンサルティングを行ったり、またこの技術の講演等をして普及活動をされたりしています。VEはファンクショナルアプローチ法という手法を使う問題解決を助ける管理技術で、

全ての形には役割がある
全ての動きには働きがある
全ての行いには意図がある

といったふうに一度ファンクション(機能、効用、意図)に置き換えてから問題解決を試みるものです。

身の回りで言えば
・ホワイトボードのマーカーのお尻が丸くなっているのは縦置きにするとペン先が乾いてしまうからというよう  に、物の形には意味がある。
・割り箸の箸袋は箸先を清潔に保つだけだったらもっと小さくても良いのではないか?しかし駅弁の割り箸は落下 を防がなければならないので箸全体を包む必要がでてくるな。
 こんなふうに考えていくと改善や工夫はいくらでも転がっているそうです。

 大学に招かれ特別授業を行う際、横田さんは学生に課題を与えていました。
「〇〇は〇〇を〇〇するモノ」
身の回りのものを機能や役割で考える訓練です。
例えばメガネは視力を補うためのモノというように、身の回りのものを機能や役割で考えるくせをつけることで「これはいらないかもしれない」「形を変えてもいいかもしれない」といった改善策を導き出せるのです。

 横田さんはVEを使って公共事業の見直しなどを行っているのですが、建設業でのみ使える技術ではなく全てのサービスや製品に対して応用できるようです。
ひょっとしたら建設業や製造業の方には既に一般的な考え方なのかもしれませんが私にとってはとても新鮮な話で日常生活でも活かせそうでしたので頭の片隅に置いておきたいと思います。

by 加藤