水曜日, 11月 19, 2008

消費者心理

 私は普段から腕時計を付けていましたが、壊れてしまって以来付けていませんでした。
 最近、また腕時計を付けようと思い、雑誌やインターネットで目星をつけお目当ての 時計を探しに時計屋を回りました。 そしてお目当ての時計を買おうとしたところ、その横にデザインがそっくりな時計が 並んでいるのに気がつきました。しかも半額の値段です。
  ほとんど同じような腕時計でこんなに値段が違うのであれば、誰も高い方を買うはず がないと思ったのですが、しかしいざ購入しようと思うとなぜか高い方と安い方どち らを買うのか迷ってしまいました。

 普段なら間違いなく安い商品を買うのに、なぜこんなに迷ってしまったのかが不思議 であったため、その日は買わず帰宅後いろいろと調べてみました。
 その中で心理学者であるアブラハム・マズローの「欲求段階説」というものを見つけ ました。
 「欲求段階説」とは人間の基本的欲求を低次から高次の5段階に分類し、その上で欲 求には優先度があり、低次の欲求が充足されると、より高次の欲求へと移行するとい うものです。
 この説によると、例えば私たちが食事をとることは、第1段階である「生理的欲求」(食 欲・睡眠欲等の本能的な欲求)に該当し、衣類を買うことは第2段階である「安全の欲 求」(衣類・住居等の安定な状態を得ようとする欲求)に該当します。
  そのため私が食料を買う時、同じような物であれば当然のごとく安いものを買ってしま うのは、食欲を満たすこと自体が目的であるからだと思います。

  これに対し腕時計を欲しいという欲求は、第4段階の「自我の欲求」に該当するのでは ないかと思います。 「自我の欲求」とは他人からの賞賛を求める欲求のことをいいます。
 これに当てはまるとすると腕時計を欲しいと思うことは、実は腕時計その物が欲しいの ではなく、「自我の欲求」を充足させるための手段にすぎないのかもしれません。
  そのためそっくりなデザインの物であっても自分の欲求をより充足させるために、高い 物を買うか安い物を買うか迷ってしまったのではないかと思います。

  このように考えると、腕時計が時間を知るための物であるにも関わらず、高級なブラン ドの腕時計を買う人がいるのも納得がいきます。
  偉大なる心理学者のおかげで、なぜ迷ってしまったのか分かりすっきりしたので、今度 は迷うことなく買おうと思います。もちろん、○い腕時計を!!

by 荻巣