金曜日, 11月 09, 2012

組織力を生かす

「かんてんぱぱ」のブランド名で有名な伊那食品工業をご存知ですか。
この会社は、寒天の国内シェアが80%もある、本社が長野県の会社です。
妻の実家のすぐ近くにあるので何度も訪れたことがあるのですが、先日、テレビで特集されていたので見てみました。

番組の中で印象に残ったのは、従業員の方が始業時間よりもかなり早く出勤していることでした。
その目的は、清掃です。
本社には広いガーデンがあり、誰でも自由に利用することができるのですが、そこを中心に毎日掃除するそうです。
しかも業務命令ではなく、皆さんが自主的に行っているとのこと。
会社が好きでプライドを持ち、お客様に汚いと思われたくないといっていた男性職員の言葉がとても印象的でした。
実際に訪れると、ゴミどころか落ち葉さえほとんど落ちていないぐらいの本当にきれいな庭園です。

人材採用の話では、「採用時にもっとも重視するのは協調性」と経営者の方が言ってました。
協調性を重視している会社は多いですが、1番となると珍しいと思います。
また、「人間は力を合わせればものすごい力が出る」とも。
私自身、仲間で協力して1つの目標に向かっている時は、人数の足し算以上の成果が出た経験が何度もあります。
この会社では、この効果を日常的に経営に生かし、好業績を続けていると感じます。
従業員の仲の良さは、「伊那食ファミリー」という言葉があることからも伺えます

能力主義が叫ばれ、ヘッドハンティングが盛んな時代ではありますが、会社の業績アップには、個の力に頼るよりも組織力を高めた方が近道ではないかと感じます。
「組織力」や「協調性」といったキーワードが、長引く不況下の中で”勝ち組”になるための一つの条件になるのではないかと思います。

by 加古宗利