火曜日, 11月 16, 2010

接客と販売

わたしはウインドショッピングが好きで、休日や時間が空いたときなど何を買うというわけではないのですが、ふらっとお店を見て回ります。当然のことですが、どのお店の店員さんも、私に商品を売り込もうと様々な言葉で話しかけてきます。

 「何かお探しですか?」と質問を投げかけてくる店員さんもいれば、わたしが見ているものから何を探しているのか推測して、「まだ入荷したばかりの、こちらの商品はいかがですか。」とお勧めの商品を直接売り込む人もいます。
まったく買うつもりがなく、ただ見ているだけのときは何を言われてもさらっと聞き流すのですが、例えば「大きめの鞄が欲しいなあ。」とか「寒くなってきたし、そろそろコートが欲しいなあ。」などと、ぼんやり頭の中に描いたものがあるときは、店員さんの勧め方次第で購入してしまうことがあります。どの店員さんも、親切丁寧で、お客さんに買ってもらいたいという思いは同じにも関わらず、その違いは何だろうといつも不思議に思っていました。

 先日、接客についての本を読んだ際、接客と販売についての違いについて書いてあり、なんとなく私の疑問は解決しました。その本には、「接客とはお客様の『いま』を満足させるために努力を重ねていくこと。」とありました。 「『いま』なんとかしてほしい。」それに対応するのが接客の仕事だということです。
それに対して「販売はお客様に少し先の『未来』をイメージしてもらい、幸せな気分を味わってもらうこと。」とありました。お客様によって未来は異なるため、「なりたい姿」というキーワードでお客様とコミュニケーションをしていく作業 が販売なのだというのです。

 確かに、丁寧な言葉であれこれと商品を説明してもらい、すばらしい接客を受けるよりも、「その商品はこんな時にも使えます。」とか「こんな洋服に合わせることもできます。」など、その商品を買ったあとのメリットをより具体的に思い描けるほうが購買意欲も増すような気がします。
 接客と販売は、同じようで実は大きく違うのだと、自分の体験に置き換えることで実感できました。

by 板谷