水曜日, 11月 10, 2010

「中小企業憲章」

「中小企業憲章」とは政府が中小企業支援を宣言したもので、今年の6月に制定されました。
制定に至るまで5年以上の年月をかけ、憲章の趣旨普及のため、自治体ごとに条例の制定も行われているようです。

 日本において中小企業は99.7%、労働者は70%を占めており、まさに社会の主役ともいえます。近年、世界的に見ても中小企業への期待が高まっており、EUでは2000年に「欧州小企業憲章」が制定され、日本では、2004年の「中小企業白書」で「中小企業は経済社会を先導する存在」としています。
「中小企業憲章」の基本理念の中で「中小企業は国家の財産」とされているように、中小企業の評価が見直されています。
 
 機会があれば是非読んでいただきたいのですが、具体的支援策を少し紹介したいと思います。

●中小企業倒産防止共済制度が充実
 取引先が倒産した場合、売掛債権額又は積立金の10倍のどちらか低い金額を上限に無利子・無担保・無保証人で借入でき、連鎖倒産を防ぐ制度です。
 従来、共済金の貸付を受けられるのは取引先の法的整理・銀行取引停止処分の場合でしたが、今年の7月からは私的整理の開始通知(弁護士等からの支払停止通知等)の場合にも利用できるようになりました。また、来年秋には貸付金額の上限が引き上げ予定です。

●小規模企業共済制度の加入対象拡大
 平成23年1月から加入対象者が共同経営者(配偶者や後継者等)に拡大されます。退職時や老後の備えが、社長になる前の後継者からできるようになります。加入状況を見直す機会にしたいですね。
 今後、石田会計ニュースでも詳しく紹介予定です。

●適正な下請け取引の推進徹底
 元請との関係から色々遠慮しがちな下請ですが、不当な下請代金減額には政府が返還指導を行い、平成20年実績で270社、返還総額は12億円だそうです。「下請かけこみ寺」という相談窓口もあるので困った出来事があったときには専門家に相談して下さい。

 その他にも、景気対応緊急保証・セーフティネット等の資金繰り支援策、人材育成支援の助成金、官公需契約(公共事業等)の中小企業比率増加目標、JETROの海外見本市出展費用補助等の海外販路開拓支援、中小企業応援センターでの相談体制整備などがあります。

 一部の紹介しかできませんでしたが、従来の制度が中小企業向けに拡充されていく方向のようです。
 石田会計で関与させていただいているお客様は大半が中小企業です。今後も国の中小企業支援策が多く出てくることを願いつつ、タイムリーにご紹介できるよう情報収集に努めていきたいと思います。

by古橋