水曜日, 12月 09, 2009

「奥様損益分岐点」

公私問わず、「奥様にパート収入があり、ご主人様の扶養を外れる場合、いくら稼ぐと損しないのか?」という質問をよく受けます。ご夫婦の収入形態は自営、共働きなど多種多様ですが、質問を受ける方は、圧倒的にご主人様がサラリーマン、奥様が専業主婦(パート収入のみ)の場合なので、このパターンを少し紹介したいと思います。

奥様が扶養に入っている事により世帯全体で経済的利益をどれくらい受けているのか?で分岐点は変わるので、プライベートな質問をしないと回答できません。
「一般的には?」とか、ご主人様の給与内訳情報を知らない方、詳細を話したくない方には、残念ながらいいアドバイスができないのです。
一般的に①~③は今まで質問を受けた経験からも多くの方がご存知のようです。
 ①100万以上で住民税がかかる
 ②103万を超えると税金の扶養が外れる(一定の条件あり)
 ③130万を超えると健康保険の扶養が外れる&国民年金を自分で納付
上記を説明後、私が最初に聞く質問は次の2点です。
・ご主人様の給料についている家族(扶養・配偶者名称様々)手当の月額
・ご主人様の加入社会保険(政府運営の社会保険or健康保険組合)

 一般的に健康保険上OR所得税法上の扶養者へ家族手当を出していることが多いですが、会社が手当を出すか否か、手当を出す基準を決めることができますので、基準を知ることが必要です。(その他諸手当にも扶養がいる場合、上乗せしている場合があります!!)
 
ご主人様の加入社会保険が政府運営の場合、扶養になれる条件が130万未満(60歳以上は180万)ですが、今後の見込収入で加入の可否を判定するので、運悪く(?)130万を少し超えてしまっても、今後収入の見込みがなければ、そのまま扶養に入っていることも可能です。
しかし、現実には役所が扶養者の所得を個々に判定しているのではなく、ご主人様の会社で(多くは)年末調整時に扶養家族の収入状況を確認しますので、その時に扶養を外れたり、税務署からの是正により所得を超えていたことが発覚し、金額によっては、健康保険も扶養から外れるという話はよくあります。会社によっては支給済みの家族手当の返還請求をする場合もあります。
「見込み」とはいえ、所得証明等客観的な書類で判定している会社が多いので、個々の事情は申立てや相談が必要ですが、個々の事情を加味しない(しきれない)会社もあるのです。健康保険組合などは扶養認定基準なども組合独自の運営でなされているのでまた別です。

 結論として、奥様本人の国民年金・国民健康保険料・市県民税等の負担アップとご主人様の家族手当ダウン(カット)、奥様が扶養を外れることにより税金もアップ等を計算し損益分岐点の目安ができます。経験上、大体150万~200万ですが、前述の理由からかなり幅が出てきます。

説明後、反応は様々ですが、意外に分岐点が高いと思われるようです。
仕事観など含め考え方は色々ですが、金銭面だけをみると他の扶養家族に比べ「奥様」はまだまだ恵まれていると考えられますね。

by 古橋