木曜日, 9月 24, 2009

「心理的時間」

フランスの心理学者が「心理的な時間の長さは、年齢と逆数比例する」という法則を唱えています。
 若いころは何かと初めて体験することが多く、人生の中で見れば刺激的な日々を送るので心理的時間が長く、年齢を重ねるにつれ、経験・知識が豊富になり環境や生活に慣れ、刺激や新鮮味が薄くなり、記憶も単調になるため心理的時間が短く感じられるということです。
 統計的にも70歳位の方々を対象に「印象深い思い出の年齢」でデータを取ると、15歳から20歳の時期が一番多いそうです。
一般的に記憶は時間の経過にともなって薄れていくものですが、条件によっては時間の経過を経たものの方が、記憶が鮮明で思い出しやすくなったり、理解できなかったことが時間の経過により理解できるようになることがあり「レミニセンス現象」というそうです。
心理的時間が長い年齢と重なり、科学的にも裏づけがあるそうです。
 
自分の経験上で振り返ってみても、もう少し、色々なことにチャレンジできたのでは、と少々後悔の念と共に、学生の頃は今より自由な時間がたくさんあった(ような)気がしますが、鮮明に思い出すことのできる思い出も多く、心理的時間が多く充実していたのだと考えると、納得できます。
それに対し、今は何かと忙しく、時間が過ぎるのが早く感じてしまいますが、「単調に忙しい」時間が多くなっている?と思うと少々複雑な気持ちになってしまいます。

年齢を重ねる=悲観的、と思われてしまうことばかり書きましたが、実は筋トレと同じように脳トレ(若いころの刺激的な環境を意識的に作る)により、記憶力、記憶脳を鍛えることができ、心理的時間を長くできるそうです。
脳に刺激(旅行に行く・感動する等)を与えると、脳の伝達効率が上がり、記憶が強化されるそうです。実年齢にかかわらず、若々しく魅力的な印象を受ける人は素敵な脳の持ち主かも知れません。

非常に残念ながら、この脳の伝達効率を上げる物質はストレスに弱いそうです・・・。
余計なストレスを感じず、刺激的な日々を送ることが脳には最適なようですが、現実には努力して自分でその環境を整えたり、探すことも大切だと思います。
by古橋