火曜日, 7月 07, 2009

ボトルネックを把握する

 石田会計事務所では、最近所員のパソコンを更新しました。
 機種を選定しているときには色々と迷いましたが、ビジネス用ですので、やはり性能重視の選び方になります。
 基本となるものでは処理能力が足りないと思われる部品をもっと能力が高いものへ変更したり、逆に処理能力が高すぎて不要と思われるものを削ったりして、最終的に石田会計に合ったパソコンとなりました。

 ところで、パソコンの処理速度を2倍にするためにはどうすればよいでしょうか?
 パソコンが動いている間、部品どうしはお互いに影響し合っています。
 そのため、ひとつの部品だけを「処理速度2倍」のものに取り替えたとしても、パソコン全体の処理速度は2倍にはなりません。
  それはなぜかというと、他の部品に処理速度が遅いものがあれば、全体の流れがそこで止まってしまうからです。
 全体の構成を考えなければ、ひとつの部品の性能だけを最高にしても意味がないのです。

 このように、全体の流れをそこで制限してしまうような部品・システム・生産条件その他のことを「ボトルネック」といいます。(ボトルネック(bottleneck)=「ビンの首」という意味です。)
 ビンからワインを注ぐとき、ビンの口から出てくるのは「ビンの口で制限された」量だけです。
 ビンの口が細すぎてワインがなかなか出てこないなら、ビンの口を広くするしかワインの出を多くすることはできません。

 同じように、処理速度が遅いとか、生産能力が低いからといって、ボトルネックがどこにあるのかを把握せずにやみくもに他の部分を改良してもうまくいきません。ワインが出てきづらいからといって、ビン本体の部分を広くしても解決にはならないのと一緒です。

 なにかミスがあって、その仕事のプロセス自体に問題がありそうなとき、生産能力に限界がありそうなとき、それを改善しようとするのはもちろんです。
 ただその方法として、『ワインの出をよくしようとしてビン本体を広げる』ようなことにならないよう、やみくもな改善ではなく全体像を把握してボトルネックをつかみ、その部分を改善していくことが、結局は一番の近道なのだと思います。

by 安藤