金曜日, 6月 12, 2009

「ジョブカード」
 
昨年4月からハローワーク等で実施されているジョブカード制度をご存知ですか?
聞いたことはあったものの、詳しく調べてみると充実さに驚きました。

もともとは正社員経験の少ない就職希望者を対象としたもので、職務経歴・職業訓練・資格・免許などを「ジョブカード」とよばれる書類にまとめ、常用雇用を目指した就職活動やキャリア形成に活用する制度です。最近対象を正社員にも広げようという動きもあります。

対象者はハローワーク等でキャリア・コンサルタントによるコンサルティングを受けながらジョブカードを作成し、就職か職業訓練かを選択します。
職業訓練を希望すると職業能力形成プログラム(企業における実習と教育訓練施設等における座学を組み合わせた実践訓練)等を受講し、企業からの評価を受けた後に再び、キャリア・コンサルティングを受けジョブカードを作成し、就職活動をするのです。
 対象労働者受け入れ企業にも対象者本人にも助成金・給付金の制度が活用できるそうで、ワーキングプア・ニート・フリーターなど社会問題の解決策としても期待されています。
 
実際に職業訓練を民間企業でした場合、受け入れ企業が対象者を3段階で評価するのですが、評価シートの項目を見てみると、勤労観・協調性からPC操作など50項目以上に及ぶ充実したものでした。自己評価と企業評価がABCの3段階で表されているので学校の通知表ようです。
職業訓練を受けた企業に就職するわけではないので、訓練終了後、再度キャリア・コンサルティングを受け就職活動をすることになるのですが、評価シートは次の就職活動先へ提出することもできます。提出するか否かは対象者の自由なのですが、提出することにより、職歴ブランクの一般的なマイナスイメージをプラスに変えるいいチャンスだと捉えることもできると思います。
採用面接は基本的に一対一の当事者のみですが、他企業の客観的評価を見ることができる制度は、採用側にはかなりメリットがあると思います。

自分自身のことを振り返ってみても、職務経歴書を作成するのが大変だったことを思い出しました。
ジョブカード制度も無く、自己流に作成しましたが、作成過程で自分の職能、スキルを見つめ直すことができ、今後どんな仕事をしたいか、今自分に何が足りないのかぼんやりしていたものを明確にし、自分自身の職業観の変化にも気付くことができた事を覚えています。今後のキャリア形成にあたり、定期的・自主的に職務経歴書のようなものを作成することも大切だと思いました。
by 古 橋