水曜日, 5月 13, 2009

擬似体験

 確定申告を終え、ほっとしたのもつかの間、 歯に違和感を感じたため歯医者さんへ行ってきました。

どうやら「親知らず」がその原因だったらしく、抜歯したところ、腫れが治まるまで二週間ほど柔らかい物しかうまく噛めない日が続くことになりました。

 今までは何でも食べられていたのに、毎食時 「これは食べられる、これは食べられない」 と気を遣わなければいけないことは結構なストレスです。
いつも祖母が固いものが食べにくいとこぼしているのを大変だなとは思っていましたが、自分がその立場になってみて初めてその苦労を実感することとなりました。

 しかも単に固いものが無理というのではなく、噛みにくいものがあるということも新たな発見です。
それは例えばキノコであったり肉類であったりなのですが、それまでは特に歯を使うとも思っていなかったものです。
これは祖母の気持ちを「考える」だけでは気づかなかったことです。
たった一つ不自由な部分があるだけでこんなに生活が制限されるとは思ってもみませんでした。 よく高齢者や身体に障害がある人の擬似体験をするために、わざわざゴーグルや耳栓、おもり、サポーターをつけてみる研修等がありますが、まさにそんな感じです。

 想像で相手を思いやるのと、実際に相手の状況を体感するのとでは天と地ほどの違いがあるのですね。 人間の想像力にも限界があるのだなという事を思い知らされました。
擬似体験をわざわざやる必要あるのかな、などと思ってしまっていた私でしたが、考えを改めることとなりました。
by 加藤