火曜日, 10月 21, 2008

なぜプロジェクトは予定どおりに進まないのか?

私は本を読むのが好きで、週に1冊のペースで読んでいます。
最近、エリヤフ・ゴールドラットさんの著書である「クリティカルチェーン」 というビジネス小説を読みました。  
著者はイスラエルの物理学者で、代表作に「ザ・ゴール」という本があります。  
本書を読もうと思ったのも、「ザ・ゴール」(ストーリーも面白く、ビジネスに 役に立つノウハウも詰まっているお勧めの一冊です。)に感銘を受けたからです。  

本書ではプロジェクトが遅れる原因の人間の問題行動の一つとして、「余裕ある 日程計画」を挙げています。  
プロジェクトの日程計画を立てる場合、基本的には各工程の時間を見積もり ますが、各工程の責任者は確実に終わらせることができるように余裕を持った 時間を見積もります。  
しかし、人間は時間に余裕があると思うとギリギリまでスタートを切らない ため、結局予想外のことが起きると間に合わなくなり、遅れたまま次の工程に 引き継がれます。  
反対に早めにスタートを切り、予定より早く終わったとしても手直しを加え たりして時間を調節するため、早期完了のメリットは引き継がれません。  

クリティカルチェーンでは各工程の余裕時間を削り、50:50のできるかできないかの時間を見積もりますが、最初から半分は遅れる予定ですので遅れたこ とによるペナルティはありません。
そして各工程の余裕時間は、プロジェクト 全体の余裕時間として管理します。  
また次回のスケジュールの短縮をしないこと条件に、早期完了を報告しても らいます。    

手法を聞いてみると、特別画期的なものとは思えませんが、逆にこれだけで 大幅な時間短縮が図れると思うと凄いの一言に尽きます。  
実際、日本の企業でもこの手法を用い、時間短縮に成功している事例が数多くあるようです。  

私の仕事はプロジェクトとはかけ離れていますが、決算の件数が他の月の半 分しかない時でもすぐには終わらないところを鑑みると、私にもズバリ当ては まっているのだと感じます。  
問題が当てはまるということはその管理手法も使えるものがあるのではない かと思いますので、自分なりにアレンジを加えて事のスピードが上がるよう試 行錯誤していきたいと思います。  
また良い成果が出た時には、成果の報告と手法をご紹介させていただきたいと思います。

by荻巣 勇人