火曜日, 3月 06, 2012

「電子申告をして思ったこと 」

石田会計では以前から電子申告を取り入れ、今では法人・個人共に100%に近い実施率ですが、仕事では当たり前のように電子申告をしながら実は自分の確定申告は紙で提出していました。本人確認に必要となる電子証明書の取得手続きが面倒だったからです。
 しかし、電子申告することによって受けられる税額控除が以前は五千円だったものが、23年分は四千円、24年分は三千円と減額されてきたので、どうせやるなら早いうちに…と重い腰を上げました。

 電子申告のメリットは、還付申告の場合還付が早く処理される、添付書類の省略が可能(大量の医療費領収書を郵送する必要もありません。但し保管義務あり。)、確定申告期間中は24時間受付可という点です。

 さて、そのための事前準備は①電子申告の開始届出、②電子証明書の取得、③カードリーダー(読み取り機)の取得、です。
 ①の開始届出は国税庁のホームページから、住所氏名などの必要事項の入力をして完了します。
 ②の電子証明書の取得が面倒なのですが、一般的だと思われるのは、住所地の市役所で住基カードを発行してもらい、そのカードに電子証明書を格納してもらうというもの。申請は代理でも可能ですが、受取は本人でなければいけないということなので一回は足を運ぶ必要がありそうです。 (もしかして自治体により違うかもしれません。)私は三が日明けに行きましたが、待ち時間は一時間位かかりました。
 最後に③カードリーダーを電器店で取得し、準備OK!
 申告書の作成については、国税庁のホームページ“確定申告書等作成コーナー”から行うことができます。

 私の場合、今回の出費は住基カードと電子証明書の発行で1,000円、カードリーダーで2,400円の支出、税額控除が4,000円だったので差し引き600円の得となりました。手間もかかり、得する分がごくわずかなので、多くの人はあまりメリットを感じられないところかもしれません。(税額控除を受けられるのも一人一回だけです。)
 また事後的なコストとして、電子証明書の有効期間は3年、住基カードは10年であること(更新料が500円ほどかかる)を考えると、「パソコン利用に抵抗がない」、「持参も郵送も面倒だからデータ送信できることに“とても”魅力を感じる」という方でなければなかなか個人では電子申告に手が出ないというのが実際のところかもしれません…。

 電子申告をしてみて感じたのは、個人的には“(紙より)楽だな、国税庁のホームページも良くできているな” という感覚なのですが、税金の制度は複雑な上、申告にパソコンを使う必要があることに苦手意識を感じる方も多いと思います。私もこういう仕事をしていなければ全く違った感じ方をすると思います。

 国税庁の統計では、22年分確定申告人員中、電子申告したのは33%強のようです。会計事務所の代理送信分を考慮するとまだまだ普及半ばと言えそうです。
 今後、より使いやすく、メリットが感じられるものに改善されていき、普及による行政コストの削減で間接的にもメリットが受けられるというようなサイクルになっていくと良いなと思っています。

by 松浦