金曜日, 11月 18, 2011

「指示代名詞の会話」

(母)「もしあれだったらあれしといて。」
(私)「うん。」
 ある日の食卓での母との会話です。
 「うん。」といった数秒後、今の言葉で言っていることがわかるってすごいな、と一人で笑ってしまいました。

 みなさんは、『あれ・それ・これ』などの指示代名詞をよく使いますか?
“(思い出せなくて)何だっけ?あれだよ、あれ!”、“(説明をしながら)それをこうして…”、とは、年代問わずしばしば耳にするように思います。
 あれ、それ、といった指示代名詞ばかりの会話は、他人や前後の状況を把握していない人には全く理解不能ですが、家族や付き合いが長い人の間ならそれでもわかってしまうのは本当に不思議なものです。

 ただ、阿吽の呼吸、ツーカーの仲などといえば聞こえは良いのですが、会話での指示代名詞の増加は脳の記憶機能の老化を示しているそうです。また、通じない相手に対して使われた場合、相手側は意図を確認するのが大変です。通じたつもりで全然違っていたということもきっとあると思います。

 私自身は、指示代名詞はあまり使っていないつもりなのですが、気付いていないだけかもしれません。
 家庭での会話ならまだしも、仕事上では、話を分かりやすく伝え、誤解を生まないためにも言葉を十分意識して使わなければと自分の言動を省みるきっかけとなりました
 また、きちんと言葉を使うことで脳をさぼらせないようにしないと…とも思った日常の一コマでした。

 ちなみに冒頭の会話は、食べ物を電子レンジに入れてくれた母が、庭に出ていく前に言った言葉です。私は、“もし私(母)が戻ってくる前にレンジがチン!となったら出しておいて(食べなさいね)。”の意味と読み取りました。答え合わせはしていませんが、合っていたと思います。

by 松浦