水曜日, 9月 07, 2011

雨ニモマケズ

東日本大震災の被災地の仮設住宅で、傾聴ボランティアが活躍しているそうです。相手に寄り添い、ひたすら耳を傾けるというボランティアです。

入居希望者の約2割は一人暮らしという仮設住宅で、話を聞いてくれる人の存在はとても大きく、待ち遠しそうにカレンダーの次回の傾聴の日に印をつける方もいるそうです。
話すことで、辛い体験による悲しみや不安が和らぎ、前向きな気持ちが湧いてくるのかもしれません。

この記事を読んで、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の一節を思い出しました。

アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシテ
ソシテワスレズ

「雨ニモマケズ」は、宮沢賢治の没後に発見された遺作のメモですが、詩として広く受け入れられ代表作のひとつとなっています。

宮沢賢治の願望といわれているその詩に描かれた人はあまりに清らかで、詩をよむ度に心が洗われ、こんな風に生きられたらいいなと漠然と思うことがありますが、現実は難しいとあっさりあきらめていました。
でも実際に被災地で活躍する人々の良心に従って行動する姿をニュースなどで目にすると、諦めたりせず自分にできることをやっていこうという覚悟が生まれます。

雨ニモマケズ
風ニモマケズ

少し落ち込んだときには、この言葉を思い出して自分を励ましています。また、被災された方々が心を強くもって復興への道を歩んでいる姿にもこの言葉が重なります。

「雨ニモマケズ」は、私にとってはあまりに高い理想のように思えますが、実際の出来事と部分的に照らし合わせながら、その都度教訓を得られたらいいなと思います。

素敵な詩や文章と、もっとたくさん出会って、心に栄養を与えたいと思う今日この頃です。


by 鈴木