水曜日, 9月 22, 2010

「知的生産の技術」に学ぶ

「知的生産の技術」とは先日お亡くなりになった民俗・人類学者である梅棹忠夫さんのロングセラー実用書です。専門分野を問わず「知的生産(何か新しい情報の生産)」をするすべての人にための本なので、初版は1969年と40年以上前ですが、最近また売れ行きがいいそうです。

 この本との出会いは、大学入学祝にいただいたのがきっかけですが、当時読みかけて挫折し、ずっとしまいこんでいました。先日、梅棹忠夫さんの特集で、この本がテレビ紹介されていたのを機に再読(再挑戦!?)しました。
 
「現代人としての必要最小限の技能とは?」など読者への問いかけが多く、知的生産技術のハウツー本でも、コツが書いてある本でもない為、読んでいる途中、読み終わった後も色々考えさせられる本でした。
著者も「知的生産に王道なし~色々考え、実行し、絶えず自己変革と自己訓練が必要~」と初めに書いてあり、この一文が内容すべてをあらわしている気がします。

 パソコンがまだ普及していないころの本なので少々古い部分もあるのですが、勉強になる箇所が多くありました。
 例えば、「記憶より記録を。人間の記憶はあてにならない。忘れることを前提に記録を取る。あとから見直してわかるようにすることも大事だが、その記録自体を検索できるようにしておくことも大事。」
仕事上では意識的に気をつけていることでも、実生活を振り返ると・・・つい先日も季節物を探し回っていたばかりです。片付けた場所を忘れる自分に反省していましたが、そもそも自分は最適な場所に保管したのか?と考えるようになり、本の影響で今までと少し視点が変わりました。

 調べるため、ある特定の知識習得のため、情報収集のため等、本を読む目的は色々あると思います。
私にとってこの本は、実生活において、最も基本的な考え方を見直すきっかけになる本なので、定期的に読み、自分の成長を計るバロメータにしていきたいと思いました。

by古橋