木曜日, 9月 16, 2010

3年後の借入返済額はいくらですか?

商売をされていれば、多くの会社で運転資金・設備投資のための借入や分割払い契約等をすることがあると思います。これらの支払いは、利益(損益計算書)には反映されませんので、資金繰り上、絶対的に必要な情報となります。
しかし、上記のような質問に即答できる会社は意外と少ないことから、返済等を管理するものを作られている会社は少ないのではないでしょうか。
そこで、今回は借入返済予定表の作成方法について書いてみたいと思います。

(1)予定表を作成する
表の横軸に期間、縦軸に個々の借入等を表示します。
期間は、右に翌月がくるように表示します。
個々の借入は、毎月の返済額と返済後の残高を表示したいので1契約ごとに行を2段設定し、上段にその月の返済額を、下段に返済後の残高を表示します。
作成にあたっては、エクセル等の表計算ソフトを使用されると便利です。

(2)必要な情報を入れる
銀行名、毎月の返済額、返済後の残高等を表示します。
(ソフトで作成される場合は、返済後の残高はソフトで自動計算にすると良いと思います。)
また、実質的に返済のない借入(手形借入や当座借越)についても毎月の借入残高を把握するために必要ですので漏れなく記載してください。
さらには、現在の借入金利や固定金利か変動金利かなどの情報も重要です。
借入にあたって保証料の支払いがある場合は、その金利を含めた実質金利で表示します。

(3)借入以外も含める
設備等を割賦購入した場合のローン支払いについても借入同様に記載します。
設備投資にかかる支払手形があれば、それも含めてください。

(4)集計する
一番下に各月の返済合計と残高合計を表示します。
さらに、毎月返済ありの借入、返済なしの借入、ローンと種類別に小計もわかるようにするとよいです。

(5)変更があったらその都度更新する
新規の借入や金利等の条件が変更となった場合には、それを反映させて常に最新版にしておく必要があります。
また、古い一覧表は後で比較する上で残しておいてもよいと思います。

(6)利用方法
 ①毎月の返済合計の推移を確認し、資金ショートの可能性が高ければ追加融資や返済条件変更等を検討する。(作成することで早めの対策をとることができます。)
 ②金利を比較して、高いものを減らしてコストダウンできないかを検討する(別の金融機関でもっと低い金利で借りれないか等)
 ③設備投資の予定があれば、資金繰りが悪化しない時期を考慮する。(借入本数が減った後など)

このように、借入返済予定表は資金繰りや経営計画をたてる上でとても重要なものとなります。
また、将来的に借入残高が減っていくことが目に見えると、「早く返そう」とか「早く返すにはどうしたらよいか」といった前向きな意識変化もあると思います。(実際に作成したら、早く返すことに生きがいを感じてみえたお客様がいらっしゃいました。)
顧問会計事務所としても作成されていると話がスムーズですし、将来の資金繰りを把握されていることがわかって、正直安心します。
作成自体は簡単にできますので、予定表がない方はぜひご検討下さい。

by 加古宗利