月曜日, 4月 07, 2008

鬼十則

私の担当の会社の社長に、私よりもお若いのですが、バイタリティに満ち溢れ、しっかりとした自分の哲学をもち、かつ、会社の業績を伸ばしておられる方がいらっしゃいます。この間、その社長と夕食をご一緒させていただき、お話をじっくりと聞かせてもらうことが出来ました。

その社長は、勤務時代には全く残業をすることが無く、定時10分前にはピシッと机を片付けて、定時と共にダッシュで帰る毎日だったそうです。
もちろん、仕事が出来なくてのその行為は周囲の反感を買うことでしょうが、その部署の中でもダントツの成績を出して、誰にも文句を言わさなかったそうです。

仕事の段取りを十分に行っておくことで、時間を一刻も無駄にせず、お客様からの依頼に迅速、かつ丁寧に応えていくことを積み重ねていけば、定時外に会社に残っていなくとも、お客様には十分にその仕事振りを評価していただけるし、実際にその時培ったお客様との信頼関係が、独立した今も大きくモノを言っているとお話くださいました。

そんな社長が、唯一つ机の上のマットに挟んで心の教訓としていたのが、「鬼十則」と言われる広告代理店の電通に伝わる社訓だそうです。
私は、この鬼十則を知らなかったのですが、読んでみて、社長がまさに実践されてきたことそのままだと感じました。
十箇条どれも厳しいことばかり並んでいるのですが、特に「摩擦を怖れるな! 摩擦は進歩の母、積極の肥料だ。」のところには、人との軋轢を恐れて安易な方へと流れてしまいそうになる自分に対して大きな鉄槌が落ちてきたように思えました。

早速、私も全文を印刷して、社長の真似をして机に挟みこみました。
毎日、少し時間が空いたときには目を通して、自分の中に欠けている積極的な考え方を呼び起こすようにしています。
単に仕事の役に立つだけではなく、前向きに人生を過ごしていくためのエッセンスを私に与えてくれています。

by 小林雄