金曜日, 4月 13, 2007

エレベータにて

 石田会計はビルの7階に事務所を構えています。
 他の階に用事があったり、昼食に出かけたりと、毎日何度もエレベータのお世話になっています。
 
 ある日のこと、3階に用事があったので、エレベータに乗り込み利用階のボタンを押して、到着するのを待っていました。3階に着き、エレベータから降りようとした時、乗ってくる人とぶつかってしまいました。
 「すみません」と口では謝罪をしつつも、電車の乗り降りと同じく降りる人優先では?と内心ムッとしていました。

 その後も何度か衝突未遂をくり返し、正直イライラしていたのですが、最近ある出来事により考えが変わりました。
 私が急ぎの用事で焦って下りのエレベータに乗り込むと、先客が操作盤の前に1人いました。その人は私が乗り込む間、[開]ボタンを押してくれていました。お礼を言おうとすると、その人は[閉]ボタンを押して、さっと降りていきました。押し付けがましくなく、そのスマートな立ち振る舞いに、自分の行動が恥ずかしくなりました。

 人というのは自分勝手なもので、エレベータの中にいる人も、外で待っている人も、自分がボタンを押したからこそ止まったのだと思い込んでしまいがちです。この「思い込み」をほんの少しだけでも「思いやり」に変えることができれば、エレベータのこの件だけに限らず、日常生活の色々なことがもっとスムーズにいくのにと反省しました。

 後日、3階に行くためにエレベータに乗っていると、途中で両手に大荷物をぶら下げた人が乗り込んできました。おそらく1階に行きたいんだろうなと思い、私が1階のボタンを押すと、その人は片手の荷物を床に降ろし、地下2階のボタンを押しました。
 ああ、やってしまったと冷や汗をかきつつ、逃げるようにエレベータから降りました。「思いやり」は難しい!

by 宮内