木曜日, 9月 07, 2006

本当に必要ですか?

 「KISSの法則」という言葉をご存知ですか? "Keep it Simple and Small.(簡潔なほうが正解だよ)"等の略とされています。

 私が初めてこの言葉を知ったのは、システムエンジニアとして働いていた数年前でした。当時初めて一人でシステムの設計書である仕様書を纏めることになり、良いものを作らねばと意気込み、無駄に力んでしまっていました。その上お客様も私も「とにかく何でも盛り込みたい病」にかかってしまい、仕様がどんどん膨らんでしまって収拾がつかない状況となってしまいました。

 そんな時、雑誌か何かで見かけた「Simple and Small」という言葉は私の目を覚まさせてくれました。システム開発は機能が複雑化すれば、たいていはコストが高くなり、設計ミスやプログラムミスが入りやすくなります。そして複雑化した機能は結局使いづらいものとなってしまいます。

 「単純に、簡潔に」をモットーに、急いでお客様と一緒に仕様を纏めなおしました。納期やコスト、そして使い勝手の面からも、本当に必要な機能だけに絞ったのです。当初の仕様がいかに枝葉だらけで、幹がしっかりしていなかったのかが分かりました。結局シンプルな構成だけでお客様に満足して頂けるシステムとなりました。

 世の中の全てにおいて、単純に簡潔に考えることが正解だとは思えません。むしろ複雑なことの方が多いかもしれません。それでも考えがまとまらずにごちゃごちゃしてきた時は、たとえ回り道になろうと最少の構成に戻ったほうが、結局正しい道を進むことができるような気がします。

by 宮内