月曜日, 12月 19, 2005

昔の話で恐縮ですが・・・

経営の神様で知られる松下幸之助(松下電器産業の創始者)のエピソードの中でこんなのがあります。昭和初期でした。当今同じく、世の中は不況の真っ只中です。
ここで、松下幸之助は従業員のリストラもせず、賃金カットもせず、不況を乗り切ったのです。
どうやったのかといいますと、工場を半日稼動にして、従業員の労働時間を減らす一方、空いた時間で社員全員で在庫の販売をやったのです。
なんと従業員全員の雇用を確保する一方で、在庫の一掃をし、不況を乗り切ってしまったのです。

今から約100年前の話です。さすが、経営の神様。頭の下がる思いです。
しかし、社員皆(もちろん工場作業員もです)で営業をするという考え方が凄くないですか?

似たような話で、サントリーの2代目社長佐治敬三もビール業界に新規参入する際に、従業員全員が酒屋などの小売店で店頭販売営業をやったというエピソードもあります。

松下電器産業もサントリーも大阪なので大阪商魂とでもいうのでしょうか?
ただ、私がこのエピソードの中で是非経営者の皆様に注視して頂きたいのは、全員営業という奇想天外な発想ももちろんですが、社長も従業員も同じ理念のもとで、一致団結して、不況を乗り切る又は販売する覚悟が必要だという事です。

社長の理念が高ければ、社員はたとえつらくても社長について行きます。
逆に社長の理念が低ければ、優秀な社員からその会社をあとにします。
現在、未だに不況から脱し切れていない企業は多いと思います。
こんな時こそ昭和の名経営者のように、是非理念高くいって頂きたいものです。

高い理念の共有無く、単に皆で営業をやっただけでは、不況を乗り切ることはできなかったでしょうし、サントリーのビールも広まってなかったと思います。 
                            
by 河合