火曜日, 3月 08, 2011

「江戸しぐさ」

 電車などで、カバンや肩がぶつかりムッとしてしまうことはないでしょうか?
 そんな時、ムッとしてしまう自分自身にも、また相手にも残念な気持ちになることがあったのですが、最近“江戸しぐさ”という言葉があることを知り少し考え方が変わりました。

 おそらくそれと意識しないでやっていらっしゃる方もいるかと思いますが、“江戸しぐさ”と言われる行動の一部をご紹介したいと思います。
・傘かしげ・・・雨の日に道ですれ違うとき、傘を倒して相手に雨のしずくが当たらないように配慮する様
・肩引き・・・道で人とすれ違うときぶつからないよう少し肩を引いて譲り合うこと
・うかつあやまり・・・たとえば相手に自分の足が踏まれたときに、「すみません、こちらがうかつでした」と自分が謝ることで、その場の雰囲気をよく保つこと

 全国から集まった人たちが、けっして広くない江戸の町で密集して生活していく上で、トラブルを起こさず円満に過ごせるように考え出された共生の知恵が、上記のような江戸しぐさだそうです。
 現代にそのまま適用できるマナーであり心構えだと思います。

 そもそもトラブルが起きない様配慮して行動することが大事であり、もしぶつかってしまったとしたら、“うかつあやまり”のようにどちらが悪いともなく「すみません」の言葉がでてくれば、双方すっきりした気持ちになれるように思います。自分が少し譲ることによってwin-winの結果になる、というのが江戸しぐさの目指したところなのかもしれません。
 見知らぬ人でも同じ地域で生活するもの同士、気持ちよく過ごせるよう江戸しぐさのようなマナーと心“粋”を習慣にしたいと思いました。

by 松浦