火曜日, 3月 11, 2008

見られてますよ

 私は通勤時間が長く、文庫本を毎日のお供としています。今朝は、昨日の帰りに読み終わった本をそのまま持ってきてしまい、がっかりしていました。
 仕方が無いので窓の外をぼんやり眺めていましたが、いくつかのバス停を過ぎた頃、前の座席の人が書類を一生懸命読んでいるのに気が付きました。

 手持ち無沙汰で、読むものを探していた私は、いけないと思いながらその書類を凝視してしまいました。
 書類の右上には大きな文字で「社外秘」と書かれており、名前や住所等の個人情報が載っているようでした。

 また、帰りのバスでは、隣の席のビジネスマンが会社名のシールを張ったノートパソコンを取り出しました。この人も今朝の人のように、社外秘ドキュメントでも読むのかとちらちら見ていると、携帯電話を繋いでオンラインゲームをし始めました。

 一見仕事熱心に見える今朝の人も、会社のパソコンでゲームをしている隣の人も、この御時世ですから、業務上知り得た話を第三者にしない、不特定多数の人がいるような公共の場で書類等を見ないというような基本的なセキュリティに関するルールはもちろん知っているでしょう。
 忙しくなると、移動時間を有効に使おうと業務に関することをやってしまいがちなのですが、改めてその危険性に気付かされました。
 公の場でのこのような行動は、情報漏洩という直接的なダメージだけではなく、「あの会社はセキュリティ意識が低いようだ、そんな会社と取引して大丈夫だろうか?」と悪いイメージを持たれてしまう可能性もあるのではないでしょうか。

 私は今まで情報漏洩といえば、悪意を持って意図的に情報を流出させたり、ハッキング等の外部からの要因を想定していました。しかし実際にはこのように「内部の普通の人の何気ない行動」によるものが大きいのかもしれないと思うようになりました。
 通勤時やお客様への訪問時で公共交通機関を使う場合は、もう少し気を引き締める必要があると思いながら、駅で貰ったフリーペーパーを読みつつ帰路に着きました。

by 宮内