火曜日, 2月 23, 2010

「NPO「法人」と会計」

 少し前から、仕事のつながりとは別のつながりで、とあるNPO法人の会計を担当することになりました。
 NPO法人という名称を聞いたことがある方は多いと思いますが、では「実際にどんな組織か?」ということをご存知の方は少ないと思います。
 NPOとは、NonProfit Organizationの略で、社会貢献活動などを行う「非営利団体」全般を指します。(世界的に言うと、国境なき医師団や、Wikipedia(ウィキペディア)などもNPOです)
 そのうち日本では、内閣府の認証を得て法人格を取得したものが「特定非営利活動法人(NPO法人)」と呼ばれています。
 
 よく勘違いされるのですが(行政担当者でも勘違いしていることもありますが・・・)NPO法人はけして行政の下請け組織でもないですし、全員が無給で働く無償団体でもありません。
 もちろん、マンパワーはボランティアに頼るところも多いのですが、有給の専従職員がいる場合も少なくありません。また、営利目的でない収益事業も行います。
 NPO法人とは、「収益を得て自立し」「専従職員に給与を支払い、継続可能な組織とする」ことで、社会的貢献のとりくみを継続させようとする集まりなのです。
 
 さて、NPO法人の中であまり知られていないことの一つとして、会計や税法関係の話題があります。
 単なるボランティア団体だから税金はかからないのでは?と思う方もいらっしゃるのですが、NPO法人として認証され、登記設立すると、法人格(公益法人)を得ることから法人税がかかります。
 職員給与を払っていれば源泉所得税の納付も必要ですし、対象事業者であれば消費税も申告しなくてはなりません。
(ただし利益の出ない団体の場合、地方税の均等割は(各自治体により条件は異なりますが)制限付きで免除になることがあります。)
 また、当然、適切な会計処理を行った帳簿も必要になります。

 ところが、NPO法人は規模がごく小さいところが多く、顧問税理士など契約しているところはほとんどないので、経理処理に困っているところも少なからずあるようです。
 私自身は、会計事務所に勤めている上に、前職(行政関係)の経験からあまり苦労をしたことはないのですが、それでも寄付金関係などは独特な処理に戸惑うことになります。
 その一方で、昨年あたりから、民間主導で「NPO法人の会計基準」をつくろう、という動きもあるようです。
 NPO法人は、大小あわせて全国で3万8000ほどの数がある団体です。
 もちろん、営利法人(会社)の数には及びもつかないのですが、「社会貢献度」という考え方の中で今後も増加していくということを考えると、なかなか「熱い」分野だと思います。

by 安藤